牧野緑地設計室は、郷土の歴史から音・光・色彩のデザインも考える、
造園・都市計画の新しいカタチの設計会社です。
竣工後のブランドデザインとデザインストラテジーは、
各種戦略企画制作のマキノデザインにお任せください。
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株式会社 牧野緑地設計室/有限会社 マキノデザイン 
 


 
 
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株式会社 牧野緑地設計室
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〒880-0032
宮崎県宮崎市霧島4-5
TEL:0985-22-6955
FAX:0985-22-6975
 
有限会社 マキノデザイン
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【宮崎本社】
〒880-0907
宮崎県宮崎市淀川3-8-17
佐伯ビル3F
TEL:0985-41-9800
FAX:0985-41-9880

【東京分室】
お陰様で予定の3年終了。
次回は別の地区に進出。
 
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イベント企画
 
 NHK連続テレビ小説「わかば」の舞台にもなった宮崎ですが、それを記念し、宮崎恒例のイベント「みやざきフラワーフェスタ」では、2005年の会場に、“わかば花壇”なるものが登場します。イベント開幕初日には、ドラマの主人公である高原若葉を演じられました原田夏希さんが来場され、記念の花植えを行います。
 この“わかば花壇”とは、原田夏希さん演じるドラマの主人公である高原若葉が、大学の卒業研究に作った“緑の家”を模して作ったものと、原田夏希さんの好きなヒマワリをモチーフに作られた花壇とで構成された、みやざきフラワーフェスタオリジナルのコンテナガーデンです。

 ここでは、当社が関わるこの“わかば花壇”を制作する過程と、オープンまでに行われたイベントの模様をお伝えします。
 
■ 会場設計施工を含めたイベント企画

今回のこの事業には、大きく分けて3部門あると考えます。

【造園部門】

1.イベント会場(“わかば花壇”コンテナガーデン)設計
2.イベント会場(“わかば花壇”コンテナガーデン)施工
3.イベント会場(“わかば花壇”コンテナガーデン)監理

【イベント部門】

4.宮崎観光に来られた方の、記念植栽コーディネート
5.みやざきフラワーフェスタ開幕初日原田夏希さんの、記念植栽コーディネート

【造園部門・イベント部門共通】

6.イベント部門での催行内容が明確に把握できるグラフィック系の制作及び提示

これらは、単に庭園施工のための設計ではなく、お客様が来られ様々な形での参画を前提とした企画を踏まえた上での設計を必要とします。

 
【わかば花壇ができるまで】

 
 原田夏希さんは、ヒマワリの花が好き。ドラマの中で、高原若葉は卒業研究の作品を作っていた。
この二つをメインに考えます。さて、どちらをセンターにして“わかば花壇”とするのか。
原田夏希さんが来られるということなので、それはやはり若原若葉さんにちょっと引いて頂きましょう。
 こういう流れから、“わかば花壇”全体のセンターにはヒマワリを置き、卒業研究の“緑の家”はドラマの中でも出ていた左斜めの角度が映える、上手(カミテ:向かって右側)に置くことになりました。
それでは 、施工の始まりです。

01.わかば花壇造成開始
2005.03.09
  まずは規定の場所に盛土を行います。

届けて頂いた土を写真のミニトラックに積み込み、ひたすら運んできて固めます。土は赤ホラという、赤土に粘土を混ぜ合わせた、花卉類に適切な保水性のあるものを使用します。

写真の二人の会話。
「これ、どうやって運転するんだ?」
「スイッチどこだ?」
ここからしばらく時間がかかりました・・・。
02.盛土と土留め作業    
  場所によって、盛土に起伏をつけます。

向かって中央のメイン部分を立体的にするため、それらの土が雨や土圧などで流れないよう、土留めを打ちます。

ミニトラックは3速で、ハンドルの下にあるチョークレバーがアクセル代わりになります。前進は比較的楽なのですが、後進は土が載っているとかなり重く、ハンドル操作がなかなかに慣れにくいものです。
03.県の観光リゾート課の方々    
  作業中に県の観光リゾート課の方々が来られ、本番当日の打ち合わせを会場のレイアウトベースで行います。

女優の原田夏希さんと安藤宮崎県知事が記念植栽をされますので、そのお二人の動線とそれをおさえるカメラの位置などを踏まえ、現場レベルでの最終修正を行います。

写真右に見える置き物チックなものは、ドラマ「わかば」内に登場した『緑に囲まれた家』のボディです。これに土を盛り込むわけです。
04.早速休憩    
  単調な作業ですが、いや単調な作業だからこそ、とにかく疲れます。設計専門の会社ですので、イマイチ体力に問題が・・・。空手家集団の当社ではありますが、予備運動なしで普段使わない筋肉を使うため、既にヘトヘトです。
翌日(人によっては翌々日)、バリバリの筋肉痛が私達を襲ったのは言うまでもありません・・・。
05.土饅頭    
  花壇のイメージを構成する一つ『緑に囲まれた家』を作ります。 コンパネでボディを作り、その表面に塩ビ板と人工芝、黒のビニルテープで美術を施します。

コンパネ/コンクリートパネルの略。RC工法の際コンクリートを固める型枠に使用される合板です。
塩ビ板/塩化ビニル素材のボードです。アクリルボードに比べ柔らかく安価です。

土饅頭/どまんじゅう。土で盛った部分です。
 06,ポジション決め    
  コニファーの位置を、図面を基本に配置し、実際の高さを見ながらバランスを整えます。

花壇は基本的に平面ですので、視覚動線を上下にも持たせることで立体感を出すため、コニファーを入れます。コニファーとは低木のことで、今回は、ゴールドクレスト・エレガンテシマ・ブルーエンジェル・ムーングロ・スエシカーなどを使用しました。
 07.調整    
  コニファーを植えます。

購入した段階では、根に近い部分まで枝葉があることがあります。植栽する深さや高さから、これらの枝葉を剪定しつつ見栄えがいいように向きなどを決めていきます。
この写真は、見える高さを決定した上で植える深さを決め、それに応じて枝葉を整えているところです。
 08.芝張り    
 

芝を張る作業です。

写真の場所は明らかに花壇の場所とは違いますが・・・。
これは、花壇に配置する芝は園内の芝を使っても構わない、というありがたい言葉から、園内のはじっこの目立たないところから芝を頂いているところです。
これがまた、なかなかハガレナイ!かなり根付いているので、剥がしても根と土で分厚く重い!重労働再びデス・・・。

 09.みどりのいえ養生で完成間近    
  『緑に囲まれた家』に芝を貼り付けていきます。

写真が暗いのは、あえてこの時間までかかってしまった、ということを記録するために、フラッシュを焚かずに撮影しました。芝の剥ぎ取りがとにかく時間がかかりました。これを土饅頭の傾斜に合わせて刈り取り貼り付け、竹串で固定します。陽も落ちて良く見えないため、この後は車のヘッドライトを点けての作業になりました。
 10.まずは掃除  
2005.03.10
  全体的なバランスを確認するため、花壇の内部や周辺を掃除します。

もちろん掃除をしなくても作業はできるのですが、一度きれいに掃除をしておくと、全体を見渡したときに純粋に作業区域が確認でき、これからの施工が確認しやすくなります。手間はかかりますが、後からの見直しの際に大幅な変更などを避けることができます。 通常前日に行うものですが、あまりにも暗かったため、あちこちに掃除漏れがありましたので、改めての掃除でした。
 11.『緑に囲まれた家』の補修    
  緑に囲まれた家の補修です。

一晩たつと、ある程度土が落ち着いたりしますので、芝がズレてきます。その部分を修正し、開いたことには新しく芝を追加するなどして形を整えていきます。
後ほど様々な花を植栽していきますので、ひとまずは大枠で成形します。
 12.どうしても・・・    
  前日の作業報告の際、どうしても運転してみたいと興味を持ったらしく、作業で乗ってもらいました。 でもちょっと細かい運転は・・・、ということで、少しの運搬であったことから手作業になりました・・・。
 13.ライン取り  
2005.03.11
  図面に従って、地面に石灰でベースラインを引いていきます。

植栽用の花の大きさによって、実際の植え幅が変化するのですが、この最初のライン取りによって花数とのバランスを考え、不足すると思われる花を追加注文していきます。
図面通りにライン取りしていっても、実際の形や数量にあまり誤差は生まれません。現場レベルでより良いプランを生む際に、差異が生じるくらいです。
 14.植栽前の打ち合わせ    
  届けて頂いた花数と、ライン引きの終わった地面との刷り合わせです。

この段階では、翌日から始まるクラブツーリズムの方々による体験植栽の打ち合わせが先行されました。何百人という方々がこの花壇に来られ、植えられます。手袋、移植ゴテ、植えていく手順、花の割り当て、いろいろと決めていきます。
 15.植栽用の花々    
  花壇に植栽する花です。

花卉業者の生産農家の方々から直接購入します。とにかく綺麗です。花も大きく丈夫です。これらを会期中維持していきます。
小さくて見えにくいですが、手前の左から、ビオラ(黄)・テルスター(ピンク・赤)・ゼラニューム(赤)・ペチュニア(ピンク)・キンギョソウ(黄)・ルピナス(紫・赤)・ダスティンミラー(黄)・ロベリア(紫)・ガザニア(黄・橙)・アリッサム(白)・クリサンセマム(白)。
後日、リビングストンデイジーなどが入ります。
 16.体験植栽初日  
2005.03.12
  関西のおばちゃん恐るべし!
怒涛のようでした・・・。
 17.体験植栽中日  
2005.03.13
  ある程度は、前日の経験からお話しができました。
話すスピードが違っても意思の疎通が可能に!
 18.体験植栽最終日  
2005.03.14
  何だか来られるのが楽しみになるほど平気デス。
関西の方々はフレンドリーでいいですね、ホントに。
 19.体験植栽終了    
  なんだかんだで無事終わり、綺麗に植えて頂きました。
会期中にまた、ちょっと遠いですが、クラブツーリズムの方々がご自分で植えられた花壇をご覧頂きたいですね。またのお越しをお待ちしています!
 20.黙々と作業の再開  
2005.03.15
 

ひたすら地面と向き合う作業の再開です。

メインとなるひまわりの部分です。 花びらをオレンジのガザニアと黄色のビオラで構成する予定で作業を開始しましたが、黄色のガザニアが手に入ることになったので、オレンジのガザニアも追加し、より大輪になるようこの後補修を行いました。
図面で構成される部分は、現場でどんどん変わります。良くなっていくのが分かる分、楽しいです。
この日に全体の植栽は完了しました。

 21.ミックスの植栽と花ガラ摘み  
2005.03.16
  植えながらの調整作業です。

リビングストンデイジーは混合です。ミックスと呼ばれます。アソートとも。複数の色をバランスよく組み合わせ植栽するため、植えては立って確認し、それを修正するためまた植えて、そして確認して・・・、と、黙々とスクワットを繰り返します。
お腹がすいたら軽くめまいがしたり、植え替えようと思ったらどの花か分からなくなったり、これがまた大変です・・・。
綺麗にするため萎れた花ガラを取り除きます。
 22.最終変更と修正作業    
  カラーバランスを取って、変更作業です。

中心部分に想定していた花が、想像しているものよりも小ぶりで発色がイメージとは異なったため、別の品種を採用することにしました。ビオラのバイオレットを外周に配置し、その中心にバーベナの赤を配置します。更にその中央にラナンキュラスを、本来の目的である原田夏希さんの記念植栽時に植えて頂く予定にしました。
 23.杉板を焼く  
2005.03.18
 

花壇が映えるよう、外周に美術を施します。

杉板をバーナーで焼き、焼杉板を作ります。まんべんなく焼いていくと、表面を磨いていない小さな木片もなくなっていきます。これを水洗いしてこすると、美しい木目が浮かび上がってきます。
また、床面も施設管理の方が新しくペイントされたため、見違えるように綺麗な空間となりました。

※ 専門家が行っております。個人などでされる際には、充分にお気をつけください。

 24.ひたすら焼く    
  細かいところまで木目を浮き立たせます。

外周用には不揃いの小さな杉板を縦に打ち付けますので、杉板の周辺や裏側まで、細かく焼き目を付けていきます。
立っても座っても同じ作業なんですが、ちょっと油断すると黒コゲになってしまいますので、一度ポーズを決めてしまうとその体勢で一枚を焼き切ってしまいます。
 25.外周への打ち付け    
  前日の3月17日は雨でした。丁度良いタイミングで雨でした。植栽は終わりゆっくりと水が花々に行き届いている間、この杉板を200枚近く裁断し、大きく杉板の木目を浮き出すように焼きましたので、仕上げのバーナー作業が終わったものから打ち付けていきます。
これがまたこういう姿勢で、そして腐食の進んだ箇所に補強も考えながら打ち付けていきますので、かなり腰やら首やらに来ます。二度目の筋肉痛襲来です。
 26.案内板の設置    
  花壇制作の最終段階です。

わかば花壇の説明文を掲示します。説明文はA3サイズのものですが、これに記載する内容のラフ案を提示し、この段階では返事待ちでした。この後ゴーサインの返事を頂きまして、この案内板に貼付しました。掲載内容には肖像権などの版権をクリアすることも大切なことですので、潤滑にイベントをこなすため、細かい打ち合わせも多く発生します。
 27.造園の基本である水撒き    
  ドラマ「わかば」の中でも出てきました、草むしりと同様、造園の業務の中で大変な作業の水撒きです。

ここは比較的小さな場所ですので長時間はかかりませんが、花を痛めず、かかった泥などを落とす清掃も兼ね、効率的に水を撒きます。水撒き3年、わかばちゃんも頑張りましたね・・・。
 28.長持ちさせるための肥料散布  
2005.03.19
  いよいよ明日開幕です。

この日は仕上げに肥料とSMEの散布を行います。
肥料はSMEの固形肥料です。化学薬品などは一切使いません。自然のまま、花の良さを全面に押し出します。環境に配慮するということは、自然のままに逆らわないということですね。
 29.SME配合Y-XとY-G    
  SMEの配合です。

今回の花壇ですと、Y-GとY-Xの混合が適切です。少量でかなり効果がありますので、かかる経費も僅かです。もちろん化学薬品は一切使用していませんので、手袋やマスクがなくても問題ありません。
 30.配合SMEの希釈    
  SMEの希釈です。

計量カップでY-XとY-Gを適量取り、バケツに移して水で希釈するのですが、ちょっと不思議なことが。
バケツは5リットルで、ジョウロは4リットル。バケツになみなみSMEを作ってジョウロに移しても、ジョウロに余分なスペースがかなりできるんです。ジョウロの4リットルというのは、どこまで入れたら4リットルなのか、ウチの社長は考えます・・・。
 31.SMEの散布    
  SMEを散布します。

土の中に直接パイプなどで流し込んだりもしますが、こういう花壇であればジョウロでも大丈夫です。
天然素材 のため、いろいろな漢方資材が形を残していて、ジョウロの先に詰まってしまい、なかなかはかどりません・・・。天然ものだから仕方はないんですけどね。たまにイーッってなってジョウロを振ると、スポンと先が抜けてあぁぁっとなって、余計に仕事が増えてしまいます。
 32.最終打ち合わせとおしゃべり    
  県の担当の方が来られ、最終チェックと本番の段取について打ち合わせです。

SMEを散布している最中でしたので、SMEの笑い話もしました。社長宅の愛犬「まろ茶」はこのSMEが大好物で、散布中に油断するとSMEを飲んでしまいます。すると漢方材だけあって、通治が良くなるのかトイレをいっぱいして、かなり元気になってしまいます。SMEの効果が実証される良い話ではありますが、愛犬にはやっぱり手を焼いているみたいですね。
 33.原田夏樹さんを待つばかり    
  原田夏希さんと安藤県知事が足を踏み込むスペースには、天気のことを考慮し、人工芝を敷くことに決まりました。
 34.わかば花壇完成    
  ひたすら天気が良いことを願うばかりです。
     
   
お仲間さん
  フラワーフェスタ会場が総合運動公園で、名前もまだフラワーショーだった頃から、花植えをされているおばちゃんたちです。写真のラティス(木製フェンス)の向こうの方々です。20年来のお付き合いです。
おばちゃんたちの休憩場所への通り道にこの花壇がありますので、いっつも会話を楽しんでいます。楽しいひとときデス。
   
いざ出陣
  初めてお会いしたときから20年。当時40歳代だった方々は60歳台に、60歳台だった方々は80歳台に。とにかく皆さん元気でカクシャクとしていらっしゃいます。そしてまた作業が早い!頼もしい!
ある意味宮崎の文化を支えてらっしゃる、誇りある方々だと私達は思っています。
いつまでも元気に頑張ってくださいね!
 
【わかば花壇、原田夏希さんと安藤宮崎県知事による記念植栽】

 
  あいにくの天気となってしまいました・・・。
しかし、そこはさすがに女優さんですね。原田夏希さんの周りだけは陽が射しているように明るく、あんまり天気は関係ない感じでした。
 さて、記念植栽です。立ち位置は、上手(カミテ)に原田夏希さん、下手(シモテ)に安藤県知事。記念植栽用の花は、原田夏希さんは黄色のラナンキュラスで、安藤県知事は赤色のラナンキュラス。これには変更がありませんでしたが、天候の都合上、ラナンキュラスをある程度配置しておき、そこに土をかけて頂いて記念植栽とする、という流れとなりました。急遽変更となりましたので、一気にその場を作ってしまいます。
 そして、無事に記念植栽を終えることができました。

写真中央黄色の大輪の花が原田夏希さん植栽によるラナンキュラス


 原田夏希さんと安藤宮崎県知事による植栽風景の写真を掲載したいところですが、
お二方の肖像権の問題もございますので、恐れ入りますが、本サイトで掲載致しかねますことを
何卒ご了承頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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